文銭巻き(ぶんせんまき)

言葉では昔のおカネのことをもん銭と言いますが「貨幣博物館」以外のところではあまり見ることはありませんし、話題になることもないのですが、時代小説には必ず登場するのが「〇文銭」 銭形平次捕物帳では盛んに使われていたことを思い出します。
これを海苔巻きで作ると聞いて、早速手元の「細工ずし」の本を見てみました。たしかに寿司職人の作品が掲載されています。さては、こういう本も調べているのかなあ。
しかし、これはどうやら私の邪推のようでした。特別な教本のようなものはなく、渦巻きを作っているうちに(偶然)出来たようです。人間の考えることって「似たことが重なるものだ」と納得させられました。

この巻きものの難しいところは、海苔の上に薄く広がるすし飯の厚さです。飯の厚さに凹凸があると、渦巻きがきれいにに巻けません。
また「すし飯」を広げながら、押し付けないように「指さき」を上手に使って平均に広げましょう。こうすると渦巻きに巻き込んだときに、良い具合にしまって安定した展開ができ、次の作業がしやすくなります。
このようにして、2本の渦巻きを作り、それぞれを縦2つ割りにし、別に用意した全形の海苔の上で教本にしたがって置き、中心部に乾瓢をあしらい、巻き込めば手本通りの形に仕上がるのです。

注意点は乾瓢の煮方にあります。別掲の材料の準備を参考にしてください。