正ちゃん

房州生まれの海苔巻きで、けしの花と前後して作られたものです。

地名は忘れてしまいましたが、「かわいい海苔巻きができたから、来ませんか?」という連絡があり、いそいそと出かけて行き、教わってきたのが「正ちゃん」。

真っ白のご飯に目と口をつけて仕上げ、切ると切り口に坊やの顔が現れるものでなんとも可愛いのです。後日、東金の方たちに教えてあげたところ、孫の顔なんざ「かわいそう」で食えないと言われガッツン。ところが数か月経て訪れたところ、正ちゃんを巻いているではありませんか???

聞いてみると、ニコニコ笑いながら

「可愛いものねえ」

唖然としたのは私だけ。


というわけであっという間に、山武郡下に広がったのです。

やがて頬っぺたに「桃色のすし飯」を使って、元気な「正ちゃん」が誕生したのです。

またこれを原型にして、いろいろな表情の顔を巻けるように腕前の上がった方も出てきました。すし飯に黒米を使用して、元気な男の子を表現したり、顔の原型として皆さんにもしっかり覚えていただきたい巻きものです。

応用できる顔として、お雛様の顔、鬼、あらゆる動物の顔、などができるようになります。

私の関わったものには「みずほ銀行の車内吊りポスター」があります。