あやめの花

「あやめの花を考えたから」という通知を受けて、いそいそと東金行きのバスに乗ったのは初夏のころ。バスのなかで「どのようにして巻くのかしら???」。 現地に到着し、笑顔で迎えられ、いそいそと白衣に着替え調理室に入る。

場所は山武農業改良普及所の調理室。割烹着姿の中年組の女性に混じって、若い女性もちらほら見受けられ、この地方の伝承活動の一端を感じ微笑ましく思いました。

私は、まず見学することにしました。

地区には、名人と言われる方が数名いるはずですから、ここはじっくり見学し手順を覚えることが大切です。

部品が出来たら、組み立てて巻き込むのですが、この方法は今までになかった手法で大発見でもあるとともに、それにつけても「よくここまで考えたものだ」という感動の方が強く、絶句。

「あんたも巻いてみた」と勧められて、恐る恐る(ここは本気)手を出したのですが、そこはまだ素人の悲しさで花弁1本の巻き加減が全く掴めないのです。

こうして私は図々しくも2~3本を任せていただいたのです。

「作品の出来具合は???」


「下手な鉄砲も、数うちゃ当たる」の喩えどおり3本目にはあやめらしい花ができ、バンザイ バンザイでした。

はじめて巻くものというのは、誰でも冒険のようなもの。皆さんも「怖がらずに巻いてください」しかし自己流は極力避けて、素直な気持ちで講師の指導どおりに巻けば、仕上がりは上々、そして充実感に満たされえることでしょう。


個人のお名前は不明ですが、あやめの花は「山武巻き寿司研究会」の傑作であり考えられた時期は1988年(昭和63年)頃

参考書は「山武の巻き寿司」 山武巻き寿司研究会・山武農業改良普及所・同松尾支所